2006 Fiscal Year Annual Research Report
イノベーション・コミュニティにおける消費者行動に関する実証研究
Project/Area Number |
18830082
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西川 英彦 立命館大学, 経営学部, 助教授 (10411208)
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Keywords | イノベーション・コミュニティ / 消費者行動 / 新製品開発 / ネット・コミュニティ / ユーザー・イノベーション |
Research Abstract |
本研究では、企業や消費者、消費者間の創発的なコミュニケーションを通じて、製品開発・テスト・普及が行われていくイノベーション・コミュニティにおける消費者行動のメカニズムを理論的・実証的に明らかにすることを目的としている。 初年度となる本年度は、次年度の実証研究に向け、大きくは以下の二つのことを実施した。第一に、ユーザー・イノベーションを中心に広くネット・コミュニティに関する先行研究の文献調査を行なった。第二に、イノベーション・コミュニティを運営する複数企業の担当者へのインタビューや、コミュニティに関係した複数のユーザーを対象とした非構造化深層インタビューによる探索的な定性調査を行なった。こうした研究を通じて、イノベーション・コミュニティにおける消費者行動と、リード・ユーザーとしての特徴などユーザーの特性との関係を考慮する重要性が明らかになった。現在、これらを反映した実証研究のフレームおよび方法論等の精緻化を進めている。 本年度の研究報告としては、本研究の問題意識や研究の経過を報告した「消費者インターフェースにおける商品開発」『2006年度日本商品学会東日本部会大会』(2006年11月専修大学)がある。公刊された研究発表としては、本研究の基礎的分析となる、開発成果の目的とイノベーション・コミュニティを含む複数の製品開発手法との適合性を指摘した論文や、最新のネット・コミュニティの新しい事象を捉えた「ハボホテル」と「ヤフー・アバター」に関する2つのケース論文、およびネット・コミュニティにおける消費者行動の理論的考察の論文(図書に所収)がある。
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