2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18830101
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
鶴田 滋 福岡大学, 法学部, 講師 (90412569)
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Keywords | 固有必要的共同訴訟 / 柔構造化 / 共有者の共同訴訟の必要性 / 共有 / 共同訴訟 |
Research Abstract |
平成18年度において、筆者は、「固有必要的共同訴訟の柔構造化に関する比較法的研究」と題する研究課題に関して主に以下の研究を行った。 まず、共有者による固有必要的共同訴訟の柔構造化、すなわち、共有者による共同訴訟の必要性の原則に例外を認める方法を検討するための前提として、共有者による共同訴訟の必要性の原則の根拠、および、共有者による共同訴訟の必要性の判断基準を明らかにするために、共有者の共同訴訟の必要性に関する判例および支配的見解の形成過程を考察し、その成果を福岡大学法学論叢51巻1・2号に掲載した。 次に、共有者による固有必要的共同訴訟の柔構造化を検討するための、ドイツにおける基本文献を通読・検討し、その成果を外国文献紹介として民事訴訟雑誌53号に掲載した。この基本文献は、ドイツの商法学者Karsten Schmidtのモノグラフィーであるが、人的会社の実体法上の法律関係に相応した訴訟法律関係、すなわち、多辺的形成訴訟を構築しようとするものであった。この構想は、一見すると、社会的紛争の一回的解決のために谷口教授により提唱された「メリーゴーランド構成」に類似するが、実体権の構造に相応した訴訟法理論を提唱している点で、「メリーゴーランド構成」とは大きな違いがあることを明らかにした。 最後に、ドイツの判例・支配的見解における固有必要的共同訴訟の柔構造化を検討するために、人的会社社員除名訴訟、固有必要的共同訴訟、共有者間の法律関係、任意的訴訟担当、訴えの客観的不真性予備的併合などに関するドイツの文献を収集し、検討した。その他、ドイツにおいて、筆者のこれまでの研究成果と現在の研究課題をドイツ・レーゲンスブルク大学ロート教授に報告し、コメントを頂いた。
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