2006 Fiscal Year Annual Research Report
道具操作の模倣のメカニズムとその発達的変化:動作モデルの処理様式の検証
Project/Area Number |
18830104
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Research Institution | Iwaki Junior College |
Principal Investigator |
水口 崇 いわき短期大学, 幼児教育科, 専任講師 (60412946)
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Keywords | 道具操作 / 模倣 / 動作モデル / エラー分析 / 成人と幼児 / 目標や意図 / プランニング / 記憶容量 |
Research Abstract |
【目的】 ・成人と幼児を対象に同一の道具操作の模倣課題を実施し、双方の共通点と相違点を検証する。 【研究1】 ・大学生64名を対象に、コップ2個と棒状の糊1本を用いて道具操作のモデルを模倣させた。effecter(右/左手)×movement(右/左回し)×object(右/左側)×treatment(右/左端)×endpoint(右/左横)の変数を操作し、32種の動作モデルを設定した(例えば、右手で糊を持ち、右回しで反転させ、右側のコップの右端を軽く触れた後、右横に置く)。結果、直後模倣と遅延模倣(15秒後)では、エラー反応の生起パターンが異なっていた。内省報告によれば、1名を除き、15秒の間に動作のプランニングを行っていた。モデルから抽出した目標と関連した運動プログラムを活性化し、反復的なプランニングを行った影響と推測された。 【研究2】 ・幼児36名に対し、直後、5秒、10秒、15秒後の4条件(各9名)を設定し、予備的に大学生と同様の課題を一部行った。結果、遅延の影響は見られなかった。そこで、32名の幼児を対象に直後模倣のみ、大学生と同様の32種を行った。結果、エラー反応の生起量は異なっていたが、生起パターンは大学生とほぼ類似していた。但し同時に、末尾の変数を省略しやすい傾向が見られた。そこで、当該の変数を除外し、直後と遅延(15秒後)を再度設定して、32名の幼児に模倣を求めた。結果、省略はほぼ消失した。そして、ここでも遅延の影響は見られなかった。 【まとめ】 ・省略の生起については、記憶容量の影響が予想される。運動プログラムのプランニングは、動作を再構成する過程に直接関与するだろう。成人と幼児の直後模倣については、基本的な処理様式が類似していると推測される。今後、記憶容量やプランニング以外に、パフォーマンスを変動させる要因の有無を検証し、検出された場合、追求していく必要がある。
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Research Products
(4 results)