2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18840001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 雅朋 北海道大学, 大学院理学研究院, 学術研究員 (80431302)
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Keywords | 特異点論 / Implicitな微分方程式 / 2階常微分方程式 / ルジャンドル特異点論 / ラグランジュ特異点論 / ミンコフスキー空間 / 波面 / 焦面 |
Research Abstract |
1.微分方程式への特異点論的研究について (1)Implicitな2階常微分方程式に対して,方程式超曲面を覆う2パラメーター族の幾何学的解(完全解)を持つための必要十分条件を求めました.また,ある条件のもとで完全解を持つための条件を接触特異点集合の言葉で書くことが出来ました。さらに2階の方程式の特徴的な解である1パラメーター族の特異解(完全特異解)を持つための必要十分条件を求めました.これらの結果を11月のフランスでの研究集会「Singularities Grand Sub」と1月の旭川での研究集会「接触構造・特異点・微分方程式およびその周辺」において発表しました. (2)滑らかな正規微分方程式に対しては局所的に一意的に解が存在することが知られていますが,一般的に正規系ではないimplicitな場合は成り立ちません.そこでimplicitな2階常微分方程式に対して局所的に一意的な幾何学的解が存在する条件を求めました.この結果は様々な応用があると思われ次年度は応用についても考察したいと思います.この研究を2月の北大での研究集会「第9回北海道-ソウル大学ジョイントシンポジウム」と3月の沼津での「第14回沼津研究集会」において発表しました. 2.微分幾何学への特異点論的研究について (1)ミンコフスキー空間内の3つの擬球面(双曲空間・光錐・ドシッター空間)の中の空間的超曲面に対して,それぞれのCaustics(焦面)とWave font (波面)をグラフ的写像を用いることにより同値関係レベルで関係を記述しました.さらに,ユークリッド空間の超曲面の場合に応用し,球との接触の様子をより詳しく調べることが出来ました.この結果を6月の山口大学での研究集会「特異点論-局所対大域」と11月のフランスでの研究集会「Hayashibara forum on Singularities」において発表しました. (2)3次元双曲空間内のホロ平坦曲面の幾何学的性質やホロ球的接線曲面の特異点の分類を行いました.
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