2006 Fiscal Year Annual Research Report
素粒子模型における宇宙の物質の起源と暗黒物質の理論的研究
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18840011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬波 大土 東京大学, 宇宙線研究所, 研究拠点形成特任研究員 (40431770)
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Keywords | 電子双極子モーメント / 余次元模型 / 暗黒物質残存量 / ニュートリノ質量 / 超対称模型 |
Research Abstract |
素粒子の標準模型は多くの実験結果を説明し大成功を収めたが、暗黒物質の存在・宇宙の物質の存在・ニュートリノ質量という重要な問題を説明できず、多くの拡張模型が提案されている。本年度の研究では、この中でどのような拡張模型が正しいかを調べるため、暗黒物質と模型の整合性について研究を行った。拡張模型中で特に有力な超対称模型とUniversal Extra Dimension(UED)模型に注目して研究した。 UED模型について、暗黒物質の熱的残存量に対する詳細な解析を行った。その結果UED模型が暗黒物質を説明しているなら、余次元の大きさとHiggs粒子の質量がどの範囲であるべきかを明らかにした。UED模型の動機は暗黒物質を説明することであるため、今回の結果は加速器実験でどのパラメータ領域を探すべきかを明らかにしたという理由で非常に重要である。 またUED模型の枠組みでニュートリノ質量も説明されるように拡張された模型について考察した。その拡張は暗黒物質の熱的残存量を変えないことを示した。また最小構成のUED模型の場合には一部の領域で宇宙論的観測との不整合性があると指摘し、このニュートリノ質量を説明する拡張の枠組みではその不整合性は自動的に回避されており、より広いパラメータ領域が許されていることを示した。 超対称模型においてウィーノ(Wボソンの超対称粒子)が暗黒物質候補となる場合に、非摂動論的な効果で暗黒物質の熱的残存量が大きく変わることを発見した。ウィーノの質量が2TeV程度なら、その熱的残存量が宇宙の暗黒物質の観測量とあうと信じられていたが、非摂動論的効果を取り入れて解析するとウィーノの質量は3TeV程度でなくてはならないことを示した。 また、超対称模型は電子双極子モーメントに大きな値を予言し実験と合わない可能性があるとしられているが、超対称模型において電気双極子モーメントに小さな値を予言する模型を提唱した。
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Research Products
(4 results)