2006 Fiscal Year Annual Research Report
ストリッカーツ型時空評価と非線型クライン・ゴルドン方程式系の時間大域可解性
Project/Area Number |
18840024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 淳 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 講師 (00432237)
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Keywords | クライン・ゴルドン方程式 / ストリッカーツ評価 |
Research Abstract |
非線型項が未知関数uの巾乗|u|^pで与えられる、非線型クライン・ゴルドン方程式系の初期値問題の時間大域的な適切性、特に時間大域解の存在について考察した。クライン・ゴルドン方程式は場の理論の中で最も良く取り上げられるモデルであり、その古典場の数学的実現については40年以上の歴史を有している。上記の非線型クライン・ゴルドン方程式系の小さな初期値に対する初期値問題においては、非線型項の指数pがp>1+2/nを満たすとき時間大域解が存在することが知られている。 私の研究目的は上記の初期値問題において、非線型項の巾が臨界的な場合、即ちp=1+2/nのときに時間大域解の存在を考察することである。 今年度は、上記の問題を肯定的に解決する鍵となると考えられる、クライン・ゴルドン方程式に対する双曲面に基づいたストリッカーツ型評価について考察した。この評価に関しては今の所具体的な結果は得られていないが、Keel-Taoが端点での通常のストリッカーツ評価を示した、双線形評価を用いる手法の適用を考えている。その手法をこの問題で適用するために必要となる、(時空を双曲面に基づいて極座標表示した際の動径方向に関する)解の精密な減衰評価を現在考察中であり、今後の課題としたい。また、この研究で考察しているストリッカーツ型評価に関連して得られた結果を論文として纏めた。 本研究に取り組むには偏微分方程式論、実解析論等の幅広い知識を得ることが不可欠である。そのために必要となる書籍を購入し、更に関連分野の研究者との情報交換のために旅費を使用した。
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Research Products
(4 results)