2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノオセロチップ:異なる表裏をもつシート状ナノ粒子の創製と光触媒反応への応用
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18850002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
天野 史章 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (10431347)
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Keywords | ナノシート / 層状金属酸化物 / 光触媒 |
Research Abstract |
1.レピドクロサイト型層状チタン酸を合成し、嵩高いテトラブチルアンモニウムを用いて二次元チタン酸ナノシートへと剥離した。このチタン酸ナノシートは負電荷を有しているため、正電荷を有した球状鋳型と静電相互作用を介して結合できる。ポリエチレンイミンで表面修飾したアクリル単分散球状粒子にチタン酸ナノシートを加えたところ、凝集沈殿物が得られた。この沈殿物を走査電子顕微鏡(SEM)観察したところ、多数のナノシートにより多層被覆された球状構造体の形成が確認された。ナノオセロチップの合成には、モノレイヤー被覆された構造体を得る必要があるため、会合条件を検討し改善する必要がある。 2.チタン酸ナノシートは厚さが数オングストロームしかなく取り扱い上の困難が予想されたため、厚さがより大きいナノプレート形状の金属酸化物を利用する方法も試みている。現在、ナノプレート形状のタングステン酸ビスマスの合成を目指している。まだ単分散のプレートは得られていないため、合成条件を改善する必要がある。一方、硝酸ビスマスとタングステン酸ナトリウムを強酸性条件において水熱処理することにより、新規な三次元薄片凝集構造を有するタングステン酸ビスマス粒子が形成することを見出した。この粒子は、大きさが2〜3マイクロメートルで単分散状態にあり、その薄片部分は大きさ数百ナノメート四方の板状構造体(ナノプレート)から構築されていることがわかった。また、硝酸銀水溶液からの光酸素生成反応を促進することが確かめられ、光触媒材料としての応用が可能であった。
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