2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノオセロチップ:異なる表裏をもつシート状ナノ粒子の創製と光触媒反応への応用
Project/Area Number |
18850002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
天野 史章 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 助教 (10431347)
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Keywords | 光触媒 / ナノシート / 層状金属酸化物 / 剥離 / 窒素ドープ酸化チタン / 可視光応答性 |
Research Abstract |
本研究では、無機材料の二次元的な構造異方性を生かした新規機能性材料の開発を目指した。当初の目的である表裏で異なる機能をもつシート状粒子を調製することはできなかったが、二次元的な異方性構造体の特徴を生かした粒子の調製と光触媒反応への応用に成功した。 1.チタン酸ナノシートを前駆体とする窒素ドープアナタース型酸化チタンの新規調製法を開発した。レピドクロサイト型層状チタン酸を剥離して得たチタン酸ナノシートの負電荷を利用して、アンモニウムイオンがナノシートに層間挿入された複合体を得た。この複合体を焼成して調製した窒素ドープアナタース型酸化チタンは、通常の調製法のものよりも結晶格子中に窒素アニオン種を多く含んでいた。しかし、窒素アニオン種を多く含むからといって高い可視光誘起光触媒活性を示す訳ではないことがわかった。また、電子受容体存在下において可視光誘起光触媒活性が増大することが明かとなった。 2.硝酸ビスマスとタングステン酸ナトリウムを強酸性条件において水熱処理することにより、薄片凝集球状構造を有するタングステン酸ビスマス多結晶集合体を調製することに成功した。この粒子は、多数の二次元的なプレート構造体から構築されており、大きな比表面積を有していた。光触媒活性を評価したところ、酸化チタンに匹敵する高い活性を有していることがわかった。これは、プレート構造体において電子-正孔対の再結合中心の量が少ないことを示唆している。本材料は、高活性な可視光応答性光触媒としての可能性を有しているため、今後も研究開発を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)