2006 Fiscal Year Annual Research Report
希土類金属触媒を用いるニトロアルドール反応での不斉四置換炭素構築反応の開発
Project/Area Number |
18850007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五月女 宜裕 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (50431888)
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Keywords | 不斉触媒 / 不斉合成 / ニトロアルドール反応 / 希土類触媒 / 有機触媒 / 医薬合成 |
Research Abstract |
本研究は、新規触媒的不斉ニトロアルドール反応群の開発を目指すものである。本反応により安価かつ低毒性なニトロアルカンを基質として有用なキラルビルディングブロック群の供給注を確立することを目的とする。初年度に当たる本年度は、1)新規触媒設計、2)反応のスクリーニングに取り組んだ。当初計画した希土類金属触媒(LLB)を用いる単純ケトンの触媒的不斉ニトロアルドール反応では、高いエナンチオ選択性が得られたが、低収率の成績体を得ることしかできなかった。詳細な検討の結果、これは生成物の熱力学的不安定性に起因する逆反応が問題であることが明らかとなった。そこで、t-ニトロアルドールの触媒的光学分割について検討した結果、ビナフトール及びビフェニルジオール錯体触媒を用いる動的リガンド交換システムを適用することで、高い選択性を達成することができた。また、ケトエステルを求電子剤として用いるニトロアルドール反応では、申請者が開発したグアニジン/チオウレア型有機触媒が有用であることも見出した。この反応では、プロキラルなニトロアルカン類も適用できる点で価値が高い。即ち、四置換炭素の隣接位にも不斉炭素を有する高度に官能基化されたニトロアルコールを一段階で合成することが可能となった。本研究の完成度を向上させるために、反応メカニズム解析に基づく触媒効率の改善、基質適用範囲の拡張、更には医薬品及び生理活性物質の全合成研究を鋭意継続中である。
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[Journal Article] Design and synthesis of telomestatin derivatives and their inhibitory activity of telomerase2006
Author(s)
Tera, M., Sohtome, Y., Ishizuka, H., Doi, T., Takagi, M., Shin-ya, K., Nagasawa, K.
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Journal Title
Hetelocycles 1・69
Pages: 505-514
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