2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18850024
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 秀司 大阪工業大学, 工学部, 講師 (70434785)
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Keywords | 高分子微粒子 / 泡 / 吸着 / 気液界面 / 構造色 / コロイド結晶 |
Research Abstract |
本研究は、高分子化学、界面化学を学術基盤とし、機能性高分子微粒子により安定化された泡を研究することにより、泡工学における泡安定化に関する基本概念を構築することを目的としている。平成18年度は分散重合、乳化重合により粒子表面性質、粒子径が精密に制御された高分子微粒子を系統的に合成し、フォームカラムを使用し泡の生成・安定化へ与える影響に関する検討を行った。その結果、ポリビニルピロリドン(PNVP)、またはポリアクリル酸(PAA)が分散安定剤として粒子表面に吸着したポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロモスチレン粒子を用いた場合、乾燥後も3次元構造を保ち、モアレパターン、構造色を示す泡の作製が可能であるが、ポリエチレングリコールが粒子表面に吸着したPS粒子は、泡を安定化できないことを明らかにした。また、PNVPで安定化されたPS粒子を用いた場合、ミクロンメートル(1.6μm)からサブミクロンメートル(260nm)サイズの粒子で泡を安定化させることができることを明らかにし、粒子径が小さくなる程、泡の安定性が低くなることを見出した。さらに、PAAが粒子表面に吸着しているPS粒子を泡安定化剤として使用することにより、pHコントロールによって泡の安定性が制御可能であることを見出した。これは申請者の知る限り、微粒子で安定化された刺激応答性の泡についての初めての報告となる。以上の内容をLangmuir誌に報告、論文投稿中である。 さらに、単一高分子微粒子と気液界面に働く相互作用を、コロイダルプローブ原子間力顕微鏡により評価を行う研究を、ドイツはMax-Planck研究所のButt教授との共同でスタートさせ、平成19年3月に申請者がButt教授の研究室を訪問し、議論を重ねることにより、単一粒子の気液界面における接触角測定に成功している。
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Research Products
(2 results)