2006 Fiscal Year Annual Research Report
急速加熱焼結法による高靱性立方晶-窒化ホウ素系複合セラミックスの緻密化機構
Project/Area Number |
18860009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀田 幹則 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30431604)
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Keywords | 立方晶窒化ホウ素 / サイアロン / 放電プラズマ焼結 / 緻密化 / 相変態 / 窒化チタン / 炭化チタン |
Research Abstract |
今年度は、急速加熱焼結装置による急速加熱を用いて、焼成温度や保持時間、バインダーの種類や添加量を変化させて立方晶窒化ホウ素(cBN)系複合セラミックスを作製し、焼結性および結晶相の解析を行った。 cBN-窒化チタン(TiN)系やcBN-炭化チタン(TiC)系では、cBN添加量を増加させるにつれて、収縮開始温度は高くなり収縮速度は減少した。これに対して、cBN-βサイアロン系では、cBN添加量を増加させると、収縮開始温度は高くなるが、cBNを10-20vol%添加すると、βサイアロンに比べて急激に収縮し、より低温かつ短時間で収縮が完了した。 cBN単体では、1650℃でcBNからhBNへの相変態が見られ、1800℃ではcBN相は同定されずhBN相に変化した。cBN-βサイアロン系では、1650℃まではhBN相への変態は確認されず、1800℃でもcBN相が残存し、1900℃でhBN相へ変化したことから、βサイアロンはcBNの相変態を抑制する効果があることが推察された。一方、cBN-TiN系やcBN-Tic系では、cBN単体と同様な相変態挙動を示した。また、cBN-βサイアロン系では、β-サイアロンとcBNとの反応は認められなかった。cBN-TiN系およびcBN・Tic系では、副生成物としてTiB_2相が検出された。 焼成湿斐1600℃でのβ-サイアロンの相対密度は93%であったが、cBNを10vol%添加すると密度98%まで緻密化が達成された。1650℃では、cBN添加量が0-30vol%の範囲では密度95%であったが、cBN量50vol%では密度は85%にとどまった。1900℃では、cBN量が50vol%でも密度93%となった。cBN-TiN系およびcBN-Tic系では、cBN添加量を増加させると、密度は顕著に減少した。
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