2006 Fiscal Year Annual Research Report
斬新的なステンレススラグの再資源化および廃熱有効利用システムの開発
Project/Area Number |
18860012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸岡 伸洋 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40431473)
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Keywords | ステンレススラグ / 6価クロム / 熱回収 / 鉄鋼精錬 / 凝固組織 |
Research Abstract |
ステンレス精錬スラグにはクロムをはじめとする重金属類が含まれている揚合がある。含有クロムのうち特に6価クロムは雨水などに溶出しやすく土壌、河川へ流出すると皮膚炎、腫瘍、発ガン性などの要因となるため、埋め立て、セメント原料、骨材などへの利用には細心の注意が必要である。本研究では、クロムを含有するステンレス精錬スラグを還元雰囲気化でのスラグプロセッシングを行うことにより6価クロムを還元し、より安定で毒性の小さな3価クロムの形態にするための条件に関する検討を行った。本年度の成果は次の4点である。1)JIS規格に基づいたスラグの溶出試験設備、6価クロム定量分析設備(ジフェニルカルバジド法分光光度計)を導入し、定量分析の体勢を確立した。2)一酸化炭素雰囲気下でスラグプロセッシングを行うことにより6価クロムを3価クロムへと還元可能で、その結果6価クロムの溶出が抑制可能であることを確認した。3)鉄酸化物を多く含有する廃棄物と混合し強還元雰囲気で熱処理をおこなうことにより酸化鉄が還元され溶融鉄相が生成し、その溶融鉄相にクロムが濃縮しスラグ中クロム濃度が激減することが明らかになった。4)実機スラグを用いた実験では、クロムだけではなく、ニッケル、銅、鉛などの他の重金属類も溶融鉄相に還元濃縮されており、その結果スラグ中の重金属含有量が激減することが明らかになり、還元によるステンレス精錬スラグの無害化処理の可能性を見いだした。
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