2006 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性炭処理における細菌群集の有機物利用特性と生物同化性有機物の除去機構の解明
Project/Area Number |
18860024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
春日 郁朗 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (20431794)
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Keywords | 生物活性炭 / 生物同化性炭素 / 微生物群集 / 再増殖 / 高度浄水処理 / 呼吸活性 / 分子生物学的手法 / 上水道 |
Research Abstract |
高度浄水処理のひとつであるオゾン-生物活性炭処理では,活性炭表面に定着した細菌により,生物同化性炭素(AOC : Assimilable Organic Carbon)が効果的に除去されている。しかし,生物活性炭における細菌群集の構造・機能については,ほとんど知見がないのが現状である。本研究では,分子生物学的手法を用いることで,AOCの除去に積極的に関与している細菌群を特定し,生物活性炭のAOC除去機能に関する工学的知見を得ることを目的として以下の研究を進めた。 1.生物活性炭に付着する細菌群集構造の詳細な解析 今年度は、FISH法を用いて生物活性炭に付着している細菌の群集構造を定量的に把握することを試みた。特に、活性炭からの剥離方法やハイブリダイゼーション条件、脱水方法についての検討を行った。確立した手法によって、実際の浄水場の生物活性炭試料を解析したところ、主要な細菌群は、Acidobacteria、Alpha-proteobacteria、Beta-proteobacteriaであることが判明した。 2.AOC利用細菌の特定方法の検討 AOCの代謝に伴う呼吸活性の上昇をCTC法で検出することを検討した。実際の浄水場から採取した生物活性炭を無機培地に入れ、暗所で振蘯培養し、活性炭に付着する細菌群集のCTC活性の経時変化をモニタリングした。その結果、培養3日後まではCTC陽性の菌数は全体の5-20%で推移したのに対し、それ以降は呼吸活性が著しく低下することが示された。 3.迅速なAOC濃度測定法の導入とAOC成分の分析手法の検討 CTC法とFISH法を組み合わせ、AOCのキャラクタリゼーションを細菌群集の呼吸活性応答の差異に基づいて行うことを検討した。二重染色の条件について、特に検討を行った。
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