2006 Fiscal Year Annual Research Report
コロイドナノ粒子の基板上吸着による自己組織化構造制御とブラウン動力学
Project/Area Number |
18860042
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邉 哲 京都大学, 工学研究科, 助手 (80402957)
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Keywords | 自己組織化 / ナノ粒子 / AFM / UV-vis / TEM / ブラウン動力学 / 表面電荷制御 / 単分散 |
Research Abstract |
シングルナノ粒子が規則配列した集合体を形成することができれば,電子部品,触媒,センサーなどの分野において革新的な進歩が期待される。従って,従ってその集団構造の制御,さらには秩序構造化が主要な課題となる。シングルナノ粒子は一般に凝集しやすいため,基板上に規則構造を形成するためには,粒子間相互作用の制御が重要となるが,本研究では,ナノ粒子生成場および保護層として働くデンドリマーに着目する。本法を用いれば,ナノ粒子の高い表面活性の保持とサイズの調節が可能で,さらに,末端の官能基を電荷を有する分子で修飾することにより表面電位を変化させ,静電相互作用斥力により分散安定化させることができる。本年度はまず,デンドリマーを粒子生成場と保護層の両面で活用するナノ粒子の作成方法について慎重に検討を進め,以下の成果を得た。 1)ナノ粒子形成条件の検討 金属ナノ粒子を形成する過程で,十分な数の金属イオンがデンドリマーの内部に配位結合を形成する必要があるが,その配位が生じる条件についてpH,温度を変化させて検討した。配位の有無はUV-visで測定した。その結果,pHが高いと配位率は低いが,pHが低くなるにつれて配位する金属イオンの数は増加した。温度の影響については温度を下げると配位率は低下したことから,配位過程にはエネルギー障壁が存在することが示唆された。これらの配位金属イオンを還元したところ,配位率が大きいほど,単分散なナノ粒子が得られた。 2)デンドリマー内包ナノ粒子の表面電荷制御に関する検討 デンドリマー末端の官能基をカルボキシル基,ヒドロキシル基と変化させても,ナノ粒子が形成できることを確認した。またpHを変化させることにより,表面電荷が変化することを示唆する結果が得られた。
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