2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18860055
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
八木 栄一 和歌山大学, システム工学部, 教授 (40403365)
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Keywords | ライダーロボット / 二輪車 / 運動安定性 / ハイサイド転倒 / 運動解析 / 運動力学 / 自動操縦 / 走行実験 |
Research Abstract |
二輪車は簡便性,経済性,省スペースなどさまざまな利点から多くの人に利用されており,現在社会においてなくてはならない交通手段の一つになっている.しかし二輪車の研究は四輪車に比べると驚くほど少ない.その理由として,二輪車は四輪車と異なり「倒れる」という不安定要素を有し,人間が積極的に関与することによって車体姿勢を安定化し,目標経路を制御している.また二輪車の運動を支配する大きな要因がライダーの挙動であり,人間という不確実性に富む要素の解明が難しいため,人間・二輪車系の運動は非常に複雑になるという問題があり,四輪車に比べて研究が遅れている原因になっている.本研究においては,これらの問題に対してロボティクスを応用し,ライダーロボットの研究から人間を含めた二輪車の運動解明を行うというアプローチを試みた. また研究対象も従来研究されてきたウィーブ,ウォブルなどの固有振動解析ではなく,ライダーにとって非常に危険であり自動二輪車教習でも指摘されているほど周知な現象であるにも関わらず,ほとんど研究されていないハイサイド転倒現象(旋回中の傾いた車体が鉛直方向に引き起こされ転倒する現象)に着目した. さらに研究手法についても,最近よく用いられているコンピュータによる複雑で大規模なマルチボディダイナミクス解析では運動方程式が陽に得られてないためパラメータサーベイによる数値解明に頼るところがあるので,本研究では現状で最も基礎となっているR.S.Sharpの運動力学理論式をもとにタイヤの断面形状を考慮しライダーのステアリング操作を組み込んで解析し,ステアリング操作特性や旋回運動における模型実験結果と検証することにより,本研究で用いた二輪車モデルの有効性を確認した.また後タイヤにかかる横力のパラメータを変化させることによってハイサイド転倒現象を再現し,車体が引き起こされることを解析した.
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