2006 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトウエア無線に適したスペクトル変換型受信機構成法の研究
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18860061
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
束原 恒夫 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (10433153)
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Keywords | ソフトウエア無線 / スペクトル / 受信機 / サンプリング / フーリエ変換 / 離散的フーリエ変換 / RF CMOS回路 / アナログ処理 |
Research Abstract |
1.研究の目的 本研究では新たなソフトウエア無線受信機アーキテクチャを提案する。周波数変換器(ミキサ、サンプリング回路など)により無線周波数(RF)信号を直流近傍の低IF(Intermediate Frequency)領域に変換する。その後、アナログ処理によるフーリエ変換の前処理を施した後にA/D変換を行うことを特徴とする。近傍に存在する大レベルの不要波信号に対応するフーリエ変換係数を強制的にゼロとすることで、一種のフィルタ処理を行う。A/D変換器の入力は希望信号のフーリエ係数のみとなるので、A/D変換の分解能を必要以上に大きくせずに済み、低電力化に適する。さらに、希望信号近傍のスペクトルをモニタすることができるので、空きチャネルを探すことも容易となり、周波数の有効利用が可能になる。 2.本年度の研究内容 本年度は基本原理の確立と受信機構成の明確化を目的とした。机上検討により、アナログフーリエ変換を用いた受信機構成を明確にした。周波数変換器(ミキサ)により低IF領域に変換された信号は希望波信号と近傍の大信号である不要波信号を同時に含んでいる。通常の受信機ではバンドパスフィルタにより希望波信号のみを取出して復調に進む。しかし、本提案では無線信号処理の柔軟性を確保するために、低IF信号を一度アナログフーリエ変換することで、周波数軸上で分離できるようにする。不要波信号が存在するチャネルに関するフーリエ係数は元々ゼロにしておく。一方、希望波チャネルと今後使う予定のあるチャネルについてはフーリエ係数を常に計算する。アナログフーリエ変換を具体的に行うためには、マルチ周波数発振器、乗算器、積分器があればよい。このようにすることで、希望信号を受信しながらも、空いている無線チャネルを同時に探すことが容易になり、コグニティブ無線などに適している。来年度は原理確認のための実験を進める予定である。
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