2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18860068
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
五十嵐 保隆 東京理科大学, 理工学部, 助手 (80434025)
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Keywords | コヒーレント超短光パルス / 符号分割多元接続通信方式 / CDMA / 超高速・大容量 / 伝達関数行列 / M系列 / 4値系列 / ビート雑音 |
Research Abstract |
将来の高速光ファイバ通信の多重方式としてコヒーレント超短光パルス符号分割多元接続通信システム(以降、本システムと称す)に注目し、二つの課題に取り組み良好な成果を挙げた。本システムの特徴は信号が広帯域で高速通信が容易なこと、非同期通信ができること、多数のユーザを一つのチャネルに収容できることにある。コヒーレント超短光パルスは持続時間がピコ秒以下と極めて短く、その位相スペクトルを符号化することで多重化を実現する。 一つ目はユーザ数が符号長よりも多いときに本システムの性能を向上させるために4値M系列を導入した。4値M系列は2値M系列から生成し、相関特性を評価した。次いで4値M系列を導入したシステムのビット誤り率を解析した。解析の際には雑音として多元接続干渉、ビート雑音、増幅自然放出、ショット雑音、熱雑音を考慮した。その結果として2値M系列に代えて4値M系列を導入すると本システムのビット誤り率が1桁改善することを示した。また受信信号電力が十分高いときには多元接続干渉とビート雑音がビット誤り率の制限要因となり、受信信号電力が低いときには増幅自然放出とショット雑音、熱雑音がビット誤り率の制限要因となることを示した。 二つ目は伝達関数行列を用いて本システムのビット誤り率を解析した。伝達関数行列は本システムを相互接続する光ファイバのインパルス応答のフーリエ変換として定義される。解析の結果、ビット誤り率は信号帯域幅と共に増加することを示した。またファイバに入射する光信号の偏向角度はビット誤り率に影響しないことを示した。最後にビット誤り率を改善するには信号帯域を適切に選択することが重要であることを示した。
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