2006 Fiscal Year Annual Research Report
木質構造の断面欠損を有する部材の曲げ性能に関する研究
Project/Area Number |
18860085
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
荘所 直哉 明石工業高等専門学校, 建築学科, 助教 (50413810)
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Keywords | 木質構造 / 断面欠損 / 曲げ実験 / 回転剛性 / 欧州アカマツ / 集成材 |
Research Abstract |
断面欠損を有する部材の曲げ実験を行い,その性能の把握と構造力学的な評価式を提案することが本研究の課題である。 木質構造住宅における部材の断面欠損の形状はさまざまある。伝統構法に分類される差鴨居構法の柱の断面欠損形状は非常に複雑であるのに対し,現代構法の金物構法のそれは比較的簡単な形状をしている。さまざまな欠損形状がある中から,曲げ実験を行う試験体の断面欠損形状は最も単純なホゾ孔形状とした。単純なホゾ孔形状は加工しやすく,実験後の評価がしやすい点等も利点である。 試験体は比較的ばらつきの少ない欧州アカマツの正角材とした。材小径,断面欠損方向および欠損長さをパラメータとして組合せを考えた。材小径は120mm,150mmおよび180mmの3種類,断面欠損形状は加力方向に平行な場合と鉛直な場合の2種類とした。また,欠損長さは曲げ実験の支点間距離の長さに対する欠損長さの比率を0〜0.5まで0.1刻みで6種類とした(材小径180mmの場合のみ0.2刻みとした)。欠損幅は材小径の1/4とした。これらの組合せで各試験体種類3体行うとし,全87体を想定している。18年度はこのうち全体の2/3にあたる58体の曲げ実験を行った。材小径が大きくなると剛性,最大耐力が高くなる傾向を示した。実験結果の詳細な分析は今後の検討課題である。 19年度は,残りの試験体の曲げ実験を行う。これらの試験体にはひずみゲージを添付することにより曲げモーメント分布を把握することも目的として追加する。また,断面欠損を回転バネにモデル化した構造力学的な評価式の導出と回転剛性の評価を行う予定である。
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