2006 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の側根形成過程における細胞周期制御機構の解析
Project/Area Number |
18870017
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
奥島 葉子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00432592)
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Keywords | 細胞周期 / シロイヌナズナ / 根 / 植物 |
Research Abstract |
本研究では高等植物の側根形成過程における細胞周期の活性化機構を解明することを目的としている。今年度は以下の項目について研究を進めた。 1.側根原基形成過程を制御するCDKインヒビター(KRP)の同定: 側根原基形成を制御するKRPメンバーを同定するため、シロイヌナズナに存在する7個のKRP(KRP1-7)についてそれぞれpromoter:GUSおよびpromoter:KRP-GFPのコンストラクトを作成し、野生型植物に導入した。 promoter:KRP-GFPについてはこれまでに7つ全てのKRPについてラインを確立し、蛍光実体顕微鏡および共焦点顕微鏡を用いて根における発現を解析した。その結果、pKRP4::KRP4-GFP物のみ根端部および発達中の側根原基におけるGFP蛍光が確認された。その他のライン(KRP1,2,3,5,6,7)については根におけるGFP蛍光が全く観察されず、KR,P-GFP融合タンパク質の発現レベルが非常に低いことが予想された。そこで、全てのKRPについてpromoter-KRP-GUSのラインも作成し、現在T2世代の確認中である。今後、promoter:GUS入植物に加え、これらpromoter:KRP-GUS入植物についても特に根における発現様式を詳しく調べる予定である。 2.KRP遺伝子機能欠損変異体の単離と側根形成に関する表現型の解析: KRP1,2,3,4,5,7のT・DNA挿入変異体を入手し、それぞれについてホモ変異体を単離した。これらKRPの機能欠損変異体は、単独ではいずれも顕著な表現型を示さなかった。現在、配列が類似している組み合わせを優先して、二重、三重以上の変異体を作成している。
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