2007 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の側根形成過程における細胞周期制御機構の解析
Project/Area Number |
18870017
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
奥島 葉子 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (00432592)
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Keywords | 細胞周期 / シロイヌナズナ / 側根形成 / 植物 |
Research Abstract |
側根原基形成に関与するCDKインヒビター(KRP)を同定するため、昨年度作成したpKRP::KRP-GUSレポーターラインを用い、シロイヌナズナに存在する7個のメンバーそれぞれの詳細な発現解析を行った。このうち、KRP2,KRP3,KRP4,KRP5については主根・側根の根端分裂組織および側根原基での発現が認められた。また、KRPのうちいくつかはアミノ酸配列中にタンパク質分解に関わるPEST配列を持つ。そこで、pKRP::KRP-GUSラインを用いてそれぞれのKRP-GUS融合タンパク質の安定性を調べた。その結果、全てのGUS融合タンパク質の安定性がMG132による処理で上昇することが見出された。このことから、KRPがプロテアソーム依存的なタンパク質分解制御を受けることが示唆された。また、通常条件ではほとんど根での発現が確認されなかったKRP6とKRP7についてもMG132処理により根端の分裂組織周辺でpKRP::KRP-GUSの発現が見られるようになったことから、これらのメンバーも根の発達に関与する可能性が示唆された。また、昨年度単離したKRP1,2,3,4,5,7のT-DNA挿入変異体に加え、新たにkrp1krp2,krp3krp4,krp4krp5二重変異体を確立し、特に側根形成能の点から表現型の解析を行ったが、どれも野生型との違いが見られなかった。 また、DEX処理依存的に側根形成を開始するpARF7::ARF7-GR/arf7 arf19植物にCDK,サイクリンのプロモーター-GUSラインをいくつか導入した。今後、DEX処理後に側根形成の誘導に伴って発現が変化する細胞周期間連因子があるかどうかを調べる予定である。
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