2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18870020
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
福田 達哉 高知大学, 農学部, 講師 (00432815)
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Keywords | 形態適応 / キク科 / ハマベノギク属 / 蛇紋岩地帯 / 海岸地帯 / 葉 / 生態 / 開花期 |
Research Abstract |
キク科ハマベノギク属植物の形態的適応を明らかにするために、本年度は材料として、この属で最も一般的なヤマジノギク、高知県の海岸付近にのみ生息するソナレノギクおよび高知県の蛇紋岩地帯に特異的に分布するヤナギノギクを用いて、各形態形質計測を行った。ヤマジノギクは高知県高知市筆山の集団、ソナレノギクは高知県幡多郡大月町の柏島の集団、ヤマジノギクは高知県高知市一宮の集団を、それぞれ約30個体を用いて、葉の数、葉の長さ、葉の幅、葉脚角度、節数および茎の長さの計測を行った。また、環境条件を一定に揃えるため、実験温室内にて行う調査は、同じ集団のそれぞれ約30個体を実験温室内に移植し、自生地で行った調査と同様に葉の数、葉の長さ、葉の幅、葉脚角度、節数および茎の長さの計測を行った。 その結果、ヤナギノギクの葉の形態がヤマジノギクの葉に比べて有意に小さくなっていること、およびソナレノギクの葉が厚くなっていることが明らかとなった。このうちソナレノギクに関する結果は、これまで報告のある海岸植物と類似した形態変化をしていることが示唆された。また、それぞれの実験温室内における生育調査の結果から、ヤマジノギクとヤナギノギクは秋にのみ開花するものの、ソナレノギクは一年を通して様々な時期に開花することが明らかとなった。この結果から、ソナレノギクはヤマジノギクとヤナギノギクが保有している開花に関するメカニズムに何らかの変化があることを示唆した。これらの結果から、ソナレノギクに関しては、形態的だけではなく生態的にも変異が大きいことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)