2006 Fiscal Year Annual Research Report
G0期(静止期)細胞の維持に必要なユビキチン依存的タンパク質分解経路の解明
Project/Area Number |
18870034
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
武田 鋼二郎 独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構, G0細胞ユニット, 研究員 (90426578)
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Keywords | 癌 / 発生・分化 / 細胞・組織 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究は、分裂酵母をモデル生物として用いて、G0期(静止期)の維持に必須なユビキチン依存的タンパク質分解経路を明らかにすることを目的としている。研究の基礎として、まずG0期細胞の長期生存維持に、ユビキチン活性化酵素(E1)と26Sプロテアソームが必須であることを、条件致死変異体を用いて明らかにした。この結果はG0期生存維持にはユビキチン依存的タンパク質分解が大きく寄与することを示唆する。この結果をふまえて平成18年度は以下の解析をおこなった。 (1)G0期維持に必須なE2・E3酵素同定の試み 分裂酵母に存在するE2酵素(ユビキチン共役酵素)の遺伝子破壊株・条件致死変異株を用いて、G0期長期生存に必要なE2酵素を同定することを試みた。G0期での生存維持に寄与するものに関しては、エピトープ・タギング株を作成し、免疫共沈タンパク質の同定や細胞内局在の観察などに必要な準備をおこなった。 (2)G0期でプロテアソーム機能欠損が引き起こす異常 蛍光顕微鏡や電子顕微鏡を用いて、プロテソーム条件致死変異株のG0期における表現型を観察した。細胞増殖期におけるプロテアソーム欠損との違いに特に注目して観察した。また、質量分析機をもちいて、G0期におけるプロテアソームの基質を同定する試みを開始した。 (3)分裂酵母G0期で使用できる遺伝子発現制御システムの導入 分裂酵母でもっとも一般的に使用されるnmt1プロモーターを用いた遺伝子発現制御システムは、G0期においてはnmt1プロモーターが不活性化されるために、本研究においては使用が難しい。そのため、シロイヌナズナで開発されたステロイドホルモン受容体を用いた発現制御システムの分裂酵母への導入を進めた。
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