2007 Fiscal Year Annual Research Report
草食動物消化管内での繊維分解において真に重要な細菌群の特定
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18880002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小池 聡 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 助教 (90431353)
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Keywords | 反芻動物 / ルーメン細菌 / 植物繊維分解 / 16S rDNA / real-time PCR |
Research Abstract |
本課題の平成19年度における達成目標は、1)標的グループのルーメン内での挙動モニタリング、2)各種草食動物消化管内における標的グループの分布量把握および3)未知菌の培養化の3点であった。 1および2点目については平成18年度の試験で繊維分解に深く関与する可能性を示したPrevotella属に着目し、rea1-time PCRによる定量を行った。その結果、本属はルーメン内で10〜20%程度の密度で存在することを確認した。さらに、ルーメン内繊維片上に15%程度の密度で付着することを突き止め、Prevotella属が繊維片上で量的にメジャーであることを明らかにした。 3点目についてはこれまでに確立されている古典的培養法を基礎として、易分解性繊維成分に富む天然植物を培養基質として用いることで新規細菌の分離培養に成功した。新規に分離した繊維分解性細菌3菌株および非繊維分解性細菌4菌株はこれまでDNA情報でのみ存在が確認されてきた未培養細菌と91〜99%の16S rDNA塩基配列相同性を示し、本研究ではじめて分離に成功した菌株であった。新規株の繊維分解酵素活性を測定したところ、いずれの株もキシラナーゼやアラビノフラノシダーゼと言ったヘミセルロース分解に関与する酵素を保有し、その活性は既知のキシラン分解菌Butyrivibrio fibrisolvensの活性よりも高かった。したがって、本研究で初めて分離した新規菌株はルーメン内においてヘミセルロース分解に関与するものと考えられた。また、新規の非繊維分解性菌株を繊維分解菌と2菌共培養すると繊維分解率が向上することを確認した。 以上の結果はルーメン内での繊維分解において既知の繊維分解菌以外にも重要な細菌が存在することを示すものであり、草食動物消化管内での繊維分解を最適化する上で必要不可欠な情報を得ることができたものと確信している。
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Research Products
(7 results)