2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物ウイルス移行タンパク質と相互作用する植物KELPタンパク質の機能解析
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18880010
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 信光 東京農工大学, 遺伝子実験施設, 助手 (70431971)
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Keywords | タバコモザイクウイルス / 移行タンパク質 / 転写活性化補助因子 / 植物-ウイルス相互作用 / 細胞間移行 / 複製 / Nicotiana benthamiana / Avrabidopsis thaliana |
Research Abstract |
1.パーティクルガン法を用いて、AtKELP過剰発現のToMV感染に対する影響を調べた.GFPを発現するToMV(ToMV-GFP)の感染性cDNAをAtKELPあるいはDsRed融合型AtKELPのcDNAとNicotiana benthamianaに共導入した場合,ToMVの感染拡大が抑制された.同様の方法により,ToMV-GFP cDNAをDsRedのcDNAと共導入した場合,ToMVの感染拡大に影響はみられなかった.また,ポリエチレングリコール法を用いて,AtKELPを過剰発現しているN.benthamianaプロトプラストへ野生型ToMV粒子RNAを接種した.その結果,AtKELPの過剰発現はウイルス粒子の蓄積には影響しないことが示唆された.以上より,AtKELPがToMVの細胞間移行において何らかの作用を及ぼしていることが考えられた. 2.パーティクルガン法を用いて,AtKELPの細胞内局在を調べた.GFP融合型AtKELPのcDNAをNicotiana benthamianaに導入した結果、GFPの蛍光が細胞質と核で観察された.さらに,DAPI染色により核を染色し,GFPが核に局在していることを確認した. 3.AtKELPとToMV MPの相互作用をyeast two hybrid systemを用いて検証した.現時点で,AtKELP分子間,MP分子間,AtKELP-MP分子間での相互作用は確認できていないが、さらに実験条件を検討する必要がある. 4.AtKELPのシロイヌナズナT-DNAタグラインを海外より取り寄せ,AtKELP mRNAを発現していないホモ系統を3系統得た.これらの系統を利用し,今後ToMVに対する感染性を検証する計画である. 5.カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターの制御下でAtKELP遺伝子あるいはDsRed融合型AtKELP遺伝子を発現するバイナリーベクターを作製した.アグロバクテリウムを用いた形質転換法により上記遺伝子をシロイヌナズナに導入した.現在,遺伝子導入植物体の選抜を行っており、今後AtKELP過剰発現植物体のToMVに対する感受性を検証する.
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