2006 Fiscal Year Annual Research Report
単子葉作物における新規ベタイン生合成経路の解明と耐塩性強化
Project/Area Number |
18880013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三屋 史朗 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (70432250)
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Keywords | 作物 / 耐塩性機構 / 適合溶質 / オオムギ |
Research Abstract |
単子葉作物における新規ベタイン生合成経路の解明を目的として、1,オオムギHvCMO遺伝子の単離、2,HvCMO遺伝子の発現様式およびHvCMOタンパク質の細胞内局在性の解析、および3,大腸菌発現系を用いたオオムギHvCMOタンパク質の機能解析、を行った。結果を以下に示す。 1,オオムギHvCMO遺伝子の単離 オオムギのCMOである、HvCMO遺伝子を、オオムギ葉cDNAライブラリーからPCR法およびRACE法により単離した。推定アミノ酸配列より、オオムギHvCMOは他の植物のCMOと同様に内部に鉄硫黄クラスターを持つことが予想された。 2,HvCMO遺伝子の発現様式およびHvCMOタンパク質の細胞内局在性の解析 HvCMO遺伝子の3'非翻訳領域を用いて、オオムギの器官レベルにおける、HvCMO遺伝子の発現部位を調べた。その結果、HvCMO遺伝子の転写産物は特に節間および根に多いことが分かった。また高濃度の塩や乾燥によって、発現量が減少した。また、HvCMO遺伝子とGreen fluorescent protein (GFP)遺伝子を連結させたキメラ遺伝子を、シロイヌナズナ培養細胞に導入したところ、GFP蛍光が小胞体において検出された。このことは、HvCMOタンパク質が小胞体に存在することを示唆している。 3,大腸菌発現系を用いたオオムギHvCMOタンパク質の機能解析 HvCMO遺伝子およびオオムギBBD2遺伝子をベタイン合成能欠損大腸菌DH5α株に共発現させた。またポジティブコントロールとしてホウレンソウCMO遺伝子およびBBD2遺伝子を共発現させた大腸菌も作製した。導入遺伝子の発現を誘導し、基質であるコリンを与えてベタイン合成量を測定したが、いずれのラインの大腸菌においてもベタイン合成は見られなかった。したがって、HvCMOの機能を解析する際、大腸菌発現系は不適であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)