2006 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシンAT2アゴニストNovokininの新しい生理作用と作用機構
Project/Area Number |
18880014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 優子 京都大学, 農学研究科, 助手 (70432341)
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Keywords | 循環器・高血圧 / AT_2レセプター / プロスタグランジン |
Research Abstract |
Novokininの血圧降下作用を仲介するレセプターの同定をするため、アンジオテンシンAT_1レセプター及びAT_2レセプターノックアウト(KO)マウスを用いて血圧降下実験を行った。その結果、ワイルドタイプ及びAT_1-KOマウスでは50mg/kgの経口投与により血圧降下作用が観察されたのに対し、AT_2-KOマウスでは血圧降下作用は見られなかった。このことより、Novokininの血圧降下作用はAT_2レセプターを介していることが明らかになった。また、AT_2レセプターの下流のメカニズムについて検討した。Novokininは高血圧自然発症ラット(SHR)において0.1mg/kgで血圧降下作用を示すが、その作用はインドメタシン及びプロスタグランジン(PG)I_2のIPレセプターアンタゴニストにより阻害されることを見出した。さらに、SHRの腸間膜動脈における弛緩作用においても、同様の結果が得られた。このことから、Novokininの血圧降下作用はAT2レセプター及びその下流でPGI_2及びIPレセプターを介しておこる動脈弛緩が関与していることが明らかになった。通常血圧ラットであるWKYにおいて血圧降下作用を示すには、SHRでの有効投与量の30倍に相当する3mg/kgもの高用量が必要であることが明らかになった。
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