2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネ維管束形成・分化におけるサイトカイニン情報伝達機構の作用機作の解明
Project/Area Number |
18880031
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
今村 綾 Nagahama Institute of Bio-Science and Technology, バイオサイエンス学部, 講師 (50410965)
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Keywords | サイトカイニン / イネ / 維管束 / His-Aspリン酸リレー / HPt |
Research Abstract |
イネにおける維管束形成・分化とサイトカイニン情報伝達機構(His-Aspリン酸リレー系)との関連を明らかにするために、本研究2年目の計画では、この伝達機構の構成因子HPt因子に着目した解析を計画した。まず、I.植物個体におけるこの因子の機能を明らかにするために、HPt-pro-GUS形質転換体(イネ・シロイヌナズナ)を作製し、時期特異的、器官特異的発現パターンの解析を試みており、現在までにHPt1(typeA),HPt3(typeP)のシロイヌナズナT2種子を取得するに至っている。各遺伝子ラインのホモラインの確立と供にこの植物体を用いてGUS染色による発現パターンの解析を行っている段階である。また、そのほかのHPtシリーズ(HPt2,HPt4&HPt5)についてはシロイヌナズナT1種子取得を試みている段階である。 次に、II.シロイヌナズナ、イネにおいてサイトカイニン情報伝達の機能が示唆されているHis-Aspリン酸リレー系について、根におけるそのネットワークをあきらかにするためにcDNAサブトラクション法を計画した。本年度はサブトラクションにより根特異的なcDNA群を単離するまでには至っていないが、根より調整したcDNAを用いたtwo-hybridスクリーニング法を用いてHPt因子と相互作用する因子を探索している。また、イネHis-Aspリン酸リレー系に着目した相互作用解析においては2つのタイプのHPt因子とRR因子の相互作用にリン酸リレー特異的と思われる相互作用の違いが確認できるに至っている。この情報伝達の分子メカニズムに関してはさらに細胞内局在性とともに明らかにしていきたい点である。
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