2006 Fiscal Year Annual Research Report
植物ホルモン分泌性根圏微生物における有用菌株選抜法の開発
Project/Area Number |
18880035
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
小林 創平 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター根圏域研究チーム, 研究員 (10414765)
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Keywords | アゾスピリラム / 窒素固定 / 植物ホルモン / SNP / PCR / PCR-RFLP |
Research Abstract |
十勝農業協同組合連合会・農産化学研究所(以下、十勝農協連)から取寄せたアゾスヒリラム様菌株のコロニー形状、グラム染色性、顕微鏡下の形態等の生理形態的特徴を調査して、アゾスピリラム属の可能性が極めて高い約70菌株を選抜した。これら菌株のオーキシン分泌量を評価した結果、分泌速度や最終的な分泌量に菌株間差があることが明らかとなった。 上記のアゾスヒリラム菌のゲノムDNAをボイル法と市販のキットで抽出した結果、簡易で低コストなボイル法でも良好なゲノムDNAが得られた。そこで、(独)理化学研究所から取寄せたリファレンス菌株をも含めてDNAを抽出して、既知のPCRプライマーを用いて16SrRNA遺伝子の増幅を試みたところ、良好な増幅が確認できた。これらのことから、PCR法によりアゾスピリラム菌株の遺伝子型を敏速、容易に評価できると考えられた。 窒素固定とオーキシン生成に関連する機能性遺伝子(nifH、nifA、ipdCなど)の塩基配列情報から、これら遺伝子に特異的なPCRフライマーを多数設計した。これらPCRプライマーの中から、リファレンス菌株の機能性遺伝子を確実且つ良好に増幅するプライマーセットを見出した。このプライマーセットを十勝農協連の菌株に適用した結果、ほぼ全ての菌株でnif遺伝子が増幅したが、ipdC遺伝子は半数程度の菌株のみで増幅した。さらに、nif遺伝子の一塩基多型を検出する制限酵素を見出して、アゾスピリラム菌株を2種(A. brasilenseとA. lipoferum)に識別するDNAフィンガープリンティング法を開発した。
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