2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18880039
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
北畑 信隆 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 協力研究員 (10435646)
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Keywords | カロテノイド / 阻害剤 |
Research Abstract |
カロテノイド酸化開裂酵素(CCD)は植物ホルモンアブシジン酸などの様々な生理活性物質の生合成に重要な役割を果たしている。CCDによって生合成されるこれらの生理活性物質の生理的意義を追究するため、CCDを標的とした生合成阻害剤の開発を行った。CCDを標的としたアブシジン酸生合成阻害剤はすでに開発済であったが、活性及び特異性の点でまだ充分でなかった。そこで、開発したアブシジン酸生合成阻害剤の構造を基本骨格として新たな化合物の合成を行い、構造活性相関研究を行った。その結果、活性及び特異性の向上した改良型のアブシジン酸生合成阻害剤を開発した。 さらに、植物の枝分かれ制御物質の生合成に関わるCCDを標的とした阻害剤の開発を目的として、そのリード化合物の選抜を行った。この枝分かれの制御物質の生合成に関わるCCDとアブシジン酸の生合成に関わるCCDは相同性が高いことから、これまで合成してきた化合物の中に標的とするCCDに対する阻害活性を有する化合物が含まれていると考え、この化合物ライブラリーを対象として選抜を行った。処理した植物の形態及び精製酵素の活性を指標として選抜を行った結果、形態と酵素活性の両方の選抜からそれぞれ候補化合物を見いだした。しかしながら、形態を指標して選抜した化合物は精製酵素に対する阻害活性がそれほど強くなく、かつ強いアブシジン酸生合成阻害活性を有していた。また、酵素活性を指標として選抜した化合物は植物の生育阻害活性を副作用として有していた。そこで、これらの化合物の構造を基本骨格として構造展開を試みている。
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