2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウエストナイルウイルス受容体下流のシグナル分子とウイルス侵入機構との関連性の解明
Project/Area Number |
18890004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
牧野 吉倫 Hokkaido University, 人獣共通感染症リサーチセンター, 博士研究員 (60431334)
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Keywords | ウエストナイルウイルス / フラビウイルス / ウイルス侵入 / ウイルス受容体 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に作製した材料を用いて侵入機構の解析を行った。 結果(1)リコンビナントEタンパク質を用いたプルダウン法によるウイルス粒子に結合する細胞表面因子の検索と解析:リコンビナントEタンパク質とVero細胞の細胞抽出液を用いてプルダウンアッセイを行ったが有意なバンドは得られなかった。現在、Vero細胞のcDNAライブラリーを発現させたJurkat細胞の中でリコンビナントEタンパク質と結合するクローンを単離することにより、侵入時に必要な宿主因子を検索中である。 結果(2)細胞内侵入に必要なシグナル伝達分子の検索と解析:細胞内侵入をより詳細に検討する為に、ウイルス粒子の可視化を行った。安全性を考慮し、SVPsを用い、蛍光色素DiDで蛍光ラベルした。蛍光ラベルSVPsを細胞に接種し、'蛍光顕微鏡を用いてタイムラプスイメージングによりSVPsの挙動を観察した。その結果、細胞膜上に吸着したSVPsは最初1μm/min程度のゆっくりした運動をしたのち、約7μm/min程度のより速い挙動を示した。この速い運動はノコダゾール処理によって消失する為、SVPsは微小管依存的な輸送を受けることが考えられた。またサイトカラシンD処理においても同様であった。以上の結果は、ウエストナイルウイルスがエンドサイトーシス経路を経ると考えられていることと矛盾せず、蛍光ラベルSVPsを用いれば、膜輸送分子およびそれらのシグナル経路とウイルス侵入の関連性を詳細に解析できることが明らかになった。またそれらの膜輸送分子やシグナル経路の阻害剤のウイルス侵入に対しての効果も検討することが可能となった。 ウエストナイルウイルスの病態解明や治療方法の確立は急務であるが、本研究ではそれら病態解明や治療法の開発へ向けての基礎的な実験系や知見を提供することが出来たと考えている。
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Research Products
(3 results)