2006 Fiscal Year Annual Research Report
看護拠点の位置と看護・医療チーム体制に伴う病棟環境と情報環境要因の関連性
Project/Area Number |
18890010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 玲奈 北海道大学, 医学部, 助手 (10431313)
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Keywords | 看護拠点 / 病棟環境 / 看護体制 / 看護必要度 / 受け持ち病室範囲 |
Research Abstract |
本研究は、病棟環境の中でも看護拠点に注目し、看護体制および情報環境との関連性を明らかにすることを目的とする。本年度は、その第1段階として、分散型看護拠点が設置され、チームナーシングを行っている首都圏の病院の2病棟において、看護師の業務追跡調査、入院患者の看護必要度および看護師の受け持ち病室範囲の調査を行った。 その結果、分散型拠点のある病棟では分散拠点のない病棟に比して、患者の近くに看護師が滞在する時間が長いことが明らかになった。分散拠点での業務は看護記録の記載、入力および閲覧が多く、看護業務に使用する物品は中央の看護拠点に配置されていることから、分散型拠点に物品等の配置をすることで、分散型拠点の機能が向上し、さらに長く患者の近くで看護業務を行うことができる可能性があると考えられる。 調査対象の病棟はチーム数が1もしくは2であったが、看護管理者の経験的な判断により、各病棟で小規模な受け持ち病室範囲(3〜9病床ごと)が形成されており、その受け持ち病室範囲を高い頻度で同一の看護師が同受け持ち病室範囲に配置されていることが明らかになった。また、看護必要度の高いエリアと低いエリアがあることが明らかになった。それにより、看護必要度の高さと看護管理者の経験により形成されている小規模の受け持ち病室範囲と看護師の人数等を検討することで、小規模の看護チーム単位を検討できる可能性がある。分散型看護拠点のある病棟環境では、看護チームを小規模にしても、それぞれのチームに看護拠点があり、リーダーナースとメンバーナースとの指示・報告・相談の場があるため、情報の受け渡しもしやすく、チームナーシングの欠点である看護の継続性を解決できる可能性が示唆された。
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