2006 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞を用いたPMCA法によるヒトプリオンの増幅
Project/Area Number |
18890017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 篤史 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50431507)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 神経変性疾患 / 蛋白質 / プリオン |
Research Abstract |
本研究ではヒトプリオンのin vitro増幅系を開発し高感度検出を成し遂げることをめざしている。 本年度はまずProtein Misfolding Cyclic Amplification(PMCA)法の材料として用いるのに適した培養細胞と処理条件およびPMCA条件を検討した。その結果、ヒトプリオンを増幅することのできる培養細胞およびPMCA条件を決定した。 細胞の由来組織により内因性プリオン蛋白および異常化メカニズムに関与するプリオン蛋白以外の分子の発現量は異なると考えられ、神経系由来細胞だけでなく非神経系由来の細胞も含めて最適な細胞を検索したが、ヒトプリオン蛋白の発現量の多かった2種類の細胞でのみヒトプリオンの増幅を行うことができた。そこでこの細胞を用いて増幅に適した細胞破砕の条件、PMCAバッファーの組成、PMCA反応の条件を決定した。この条件下での増幅は48〜72時間でピークとなるが、その後基質のヒトプリオン蛋白の減少に伴って漸減していった。そのため1ラウンドのPMCA反応の後、新たな基質を加えてさらに反応を行うマルチラウンドPMCAを試みたが現在のところ持続的な増幅はできていない。 今後はさらに効率よくヒトプリオンを増幅できる反応条件を検討するとともに、アミノ酸変異を導入した変異ヒトプリオン蛋白を発現させることで高感度化をはかる予定である。アミノ酸変異を導入した変異ヒトプリオン蛋白発現ベクターは本年度中にすでに完成した。
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