2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経症患児の共感性の構造と親の養育態度の関連に関する研究
Project/Area Number |
18890033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 祐子 東北大学, 医学部, 助手 (40431598)
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Keywords | 神経症患児 / 共感性 / 養育態度 |
Research Abstract |
【目的】 本研究の目的は、神経症患児の共感性の構造と親の養育態度との関連について明らかにすることである。 【研究結果と今後の研究計画】 平成18年度は,主に文献検討により概念枠組みの再検討を行い、さらに調査に使用する質問紙の準備(マークシート化)を行った。養育態度は世代間伝播することが先行研究によって明らかになっており、親の養育態度や共感性が子どもの共感性の発達に影響を与えているとも考えられる。幼児期では、母親の情動的共感性が高いと子どもの共感性も高いと報告されている。しかし、共感性の研究は、性差や発達段階による変化、個人内の特性(自己概念,向社会行動)による共感性の特徴といった視点でのものが多く、また、共感性を個人の特性としてとらえ親と子における共感性の比較検討を行った研究はほとんどみられない。共感性は向社会行動との関連が示されており、社会生活を送るうえで重要な特性といえる。神経症患児では、不登校など社会生活に支障をきたす場合も多く、人間関係構築という観点からも、共感性に関して特徴があると考えられる。 平成19年度は、中学生と高校生を対象に,神経症群と非神経症群において,子どもと養育者に対し多次元的共感性尺度による調査を実施し,それぞれの群での共感性の構造を明らかにする。また親の養育態度について親子関係診断険査EICAを用いて調査し,共感性と養育態度との関連を明らかにするとともに両群の比較検討をする。発達段階や性差といった共感性に影響する因子を考慮して結果を分析し比較検討することにより、神経症患児の特徴について理解を深め、患児およびその親への支援に生かすことができると考えられる。現在、所属研究機関の倫理審査申請手続き中であり、審査通過後に調査施設への研究協力依頼及び決定、データ収集・分析を実施する。
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