2006 Fiscal Year Annual Research Report
低出生体重児をもつ母親の育児不安の実態ー父親の育児意識、対児感情との関係ー
Project/Area Number |
18890036
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山口 咲奈枝 山形大学, 医学部, 助手 (20431637)
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Keywords | 育児不安 / 低出生体重児 |
Research Abstract |
本研究は、低出生体重児(出生体重2500g未満)をもつ母親の育児不安の実態を明らかにすること、および母親の育児不安と父親の育児意識、対児感情との関係を明らかにすることを目的としている。平成18年度は一次調査として、低出生体重児をもつ母親(以下低出生体重児群とする)と成熟児をもつ母親(以下成熟児群とする)を対象とし、自己記入式質問紙調査を実施した。調査は、母親の退院時、児の退院時、児の退院後1ヶ月の3回による縦断的調査を実施し、両群の育児不安の比較を行った。質問紙は、吉田の作成した育児不安スクリーニング尺度を使用した。本尺度は子育ての不安、自信のなさ、児の気質、相談相手の有無、育児満足、夫との関係の6つの下位尺度で構成されており、子育ての不安と自信のなさの得点の合計を育児不安得点とした。評定は4段階評定法を用いた。 対象者の年齢は29.6±5.9歳(Mean±SE)、初産婦71.4%、児の出生週数は低出生体重児群では34.0±1.4週、成熟児群38.4±1.3週、児の体重は、低出生体重児群では2181.5±86.9g、成熟児群2971.2±317.7gであった。育児不安得点は、児の退院時では低出生体重児群は30.0点、成熟児群は29.2±2.2点、児の退院後1ヶ月では、低出生体重児群は32.0点、成熟児群は31.0±1.2点であった。育児不安の程度としては、両群ともに普通に分類された。 分析の結果、育児不安の程度は、両群とも児の退院後1ヶ月の時点が最も育児不安得点が高かった。また、育児不安の程度、ならびに育児不安に影響する要因である児の気質、相談相手の有無、育児満足、夫との関係については、両群間に明らかな優位差は認められなかった。
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