2006 Fiscal Year Annual Research Report
外来がん化学療法施行患者に対するセルフモニタリングの効果
Project/Area Number |
18890043
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
武居 明美 群馬大学, 医学部, 助手 (70431715)
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Keywords | 看護 / 癌 / 社会医学 / 臨床 |
Research Abstract |
外来でがん化学療法を受ける患者へセルフモニタリング法を指導し、外来での治療生活にどのような影響を与えるか、その評価を行うことを目的とした。 現在5名への半構成的面接についての分析が進んでいるため、その結果について報告する。 対象者は外来で化学療法を受けるがん患者、女性5名、Performance Statusは0-1であり、セルフモニタリング法による効果について内容分析を行った結果、86のコードが得られた。そこからさらに11サブカテゴリー、4カテゴリーが形成された。 カテゴリーは《看護師との共同目標を意識した生活行動の変容》《看護師との振り返りによる副作用の気づきと対処行動の獲得》《看護師との振り返りによる生活の調整》《看護師との振り返りによる症状管理への自信と安心感の獲得》であった。 セルフモニタリング法の導入によって、患者自身が主体となって看護師とともにたてた共同目標を意識して生活行動を変化させていることが明らかになった。また、看護師が個人に合わせた具体的なアドバイスとともにフィードバックを行ったことや患者自身が副作用対処に関して自信がついていると認識したことも動機付けに大きく貢献したと思われる。さらに、共同目標の評価の際、患者自身が記録した日誌を用いて看護師とともに振り返りを行ったことや看護師からのフィードバックにより、自己の体調の変化や対処行動を客観的に理解したり、再認識することによって副作用の出現に気づき対処行動の獲得がもたらされていったと考える。 これらのことから、セルフモニタリング法の中でも看護師との共同目標の設定、看護師からのフィードバック、動機付けを行うことが患者の症状管理への自信や安心感の獲得に有効であると考えられる。 今後は対象者数を増やしていくとともに、量的なデータの分析も進め、質的なデータと併せて分析を行い、信頼性、妥当性を高めていく必要がある。
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