2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム群遺伝子Bmi-1によるGATA3のタンパク質安定性制御機構の解明
Project/Area Number |
18890046
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
細川 裕之 千葉大学, 大学院医学研究院, 助手 (60431756)
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Keywords | Th1 / Th2 / Bmi-1 / GATA3 / ユビキチン化 |
Research Abstract |
本年度はBmi-1によるGArA3のユビキチン化制御機構の解明を目的とし、(1):Bmi-1を過剰発現させたTh2細胞でのMdm2の発現をRT-PCR法およびウエスタンブロット法によりmRNAレベルおよびタンパク質レベルで解析するとともに、Mdm2の細胞内局在について検討した。その結果、Bmi-1の過剰発現によりMdm2のmRNAおよびタンパク質レベルの発現量に変化はなかった。また、Mdm2の核移行に関しても変化は認められなかった。この結果からBmi-1によるGArA3タンパク質の安定化はMdm2の発現制御や核移行の制御によるものではないことが明らかになった。(2):Bmi-1がGArA3に会合することで、Mdm2とGArA3の会合を競合的に阻害している可能性をGATA3,Mdm2と同時にBmi-1を発現させた細胞を用いて免疫沈降法により検討した。その結果、今回行ったタンパク質のMol比、細胞溶解条件ではBmi-1によるGATA3とMdm2の会合の阻害は認められなかった。今後、Mol比や細胞溶解条件の検討を行うと同時に、GST-fusionタンパク質を用いたin vitroでの直接的な会合を解析するシステムを用いてBmi-1がGATA3とMdm2の会合を阻害する可能性について検討する。 Bmi-1が生理的にTh2細胞の分化を制御しうるか解析する目的で、(3):Bmi-1遺伝子欠損マウス由来ヘルパーT細胞のTh2細胞分化能をin vitroで詳細に検討した。その結果、Bmi-1遺伝子欠損マウス由来ヘルパーT細胞のTh1細胞分化条件下、Th2細胞分化条件下での分化パターンに変化はなかったが、IL-2のみを加えるNeutral条件下でTh2細胞の分化に障害が認められた。より生理的なNeutral条件下でTh2細胞分化に障害が認められたことから、今後Bmi-1遺伝子欠損マウスを用いたin vivoの免疫応答を解析する。また、Bmi-1遺伝子欠損マウス由来Th2細胞では、GATA3のタンパク質レベルの発現に変化が認められないことから、この細胞を用いてGATA3の安定性やユビキチン化レベルについて検討する予定である。
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