2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポリコーム群遺伝子Bmi-1によるGATA3のタンパク質安定性制御機構の解明
Project/Area Number |
18890046
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
細川 裕之 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (60431756)
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Keywords | 免疫学 / Th2細胞 / GATA3 / ポリコーム群遺伝子 / アレルギー |
Research Abstract |
本研究では,Bmi1によるGATA3のタンパク質安定性制御機構の解明を目的として以下の2点について解析を行った。 (1)Bmi-1によるGATA3のユビキチン化制御に関する研究:我々はMdm2がGATA3のユビキチンE3リガーゼであることを明らかにしている。そこで,Bmi-1によるGATA3のユビキチン化抑制機構としてMdm2の発現や機能を制御している可能性を検討した。その結果,Bmi-1の過剰発現はMdm2のmRNA,タンパク質発現量やMdm2とGATA3の会合に影響を与えなかった。以上の結果から,Bmi-1がMdm2とユビキチンE2の会合を阻害している可能性やMdm2を介さないGATA3のユビキチン化経路を阻害している可能性,Bmi-1が脱ユビキチン化酵素として働き,GATA3のユビキチン化を抑制している可能性などが考えられた。 (2)Bmi-1遣伝子欠損マウスにおけるTh2細胞の分化やGATA3の安定性についての検討:昨年度までの解析により,Bmi-1を過剰発現することでGATA3タンパク質の分解およびユビキチン化が抑制される事を明らかにした。本年度はBmi-1によるGATA3タンパク質の分解およびユビキチン化の制御がTh2細胞分化において生理的な役割を担っているか,Bmi-1遺伝子欠損マウスを用いて検討した。Bmi-1遺伝子欠損マウス由来のCD4T細胞をTh1,Neutral,Th2条件下で培養したところ,Neutral条件下においてTh2細胞分化の著しい低下が認められた。さらに,Bmi-1遺伝子欠損マウス由来Th2細胞ではGATA3タンパク質の分解およびユビキチン化が亢進していた。この結果から,生理的な条件下においてもBmi-1はGATA3タンパク質の安定性を制御することで,Th2細胞の分化を調節していることが明らかになった。
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