2006 Fiscal Year Annual Research Report
浸透圧ストレス応答における新規リン酸化酵素ASK3の活性化機構解明と機能解析
Project/Area Number |
18890050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名黒 功 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (80401222)
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Keywords | リン酸化酵素 / 浸透圧ストレス / ASK3 |
Research Abstract |
本年度は、浸透圧変化に応答するリン酸化酵素ASK3の活性変化の時間推移、活性化の大きさ、応答する浸透圧変化の程度などプロファイルの検討を行い、ASK3分子の性質について知見を得た。ASK3とは浸透圧ストレスに対する応答性の異なるファミリー分子であるASK1とのキメラ分子(ASK1/3キメラ)を作製し、ASK3特異的な浸透圧応答性がどの部位の構造に由来するかについて解析し、同定した。ASK3特異的なモノクローナル抗体を用いて成体マウスの組織免疫染色を行い、ASK3が腸上皮や腎臓など浸透圧変化にさらされる部位に特異的に発現していることを確認した。HEK293細胞にASK3を発現させ、培養液の浸透圧を低、等、高と三段階に変化させた状態でpull-downを行い、低浸透圧刺激時特異的にASK3に結合する分子を複数見出し、MSにより同定した。さらにそれらの分子がASK3の活性に与える影響を解析した。また、酵母ツーハイブリッド法によってもASK3と相互作用する分子の探索を行い、シグナル伝達に関わると予想されるリン酸化酵素、浸透圧受容に関与する可能性がある細胞膜タンパク質など多数の結合分子を得た。そのうち、あるリン酸化酵素に関してはASK3によりリン酸化されることが明らかになり、そのリン酸化部位についてもMSにより決定した。siRNAにより効率よくASK3をノックダウンするシステムを構築し、細胞においてASK3分子をノックダウンすると、浸透圧応答に重要な複数の分子のリン酸化レベルが変化することを確認した。ASK3ノックアウトマウスの作製を行い、現在ASK3ノックアウトES細胞の構築からキメラマウスの誕生まで完了した。同時にコンディショナルノックアウトマウスの作製も行っており、ターゲティングベクター作製の途中段階にある。
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Research Products
(2 results)