2007 Fiscal Year Annual Research Report
浸透圧ストレス応答における新規リン酸化酵素ASK3の活性ヒ機構明と能解析
Project/Area Number |
18890050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名黒 功 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (80401222)
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Keywords | リン酸化酵素 / 浸透圧ストレス / ASK3 |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続き、浸透圧に応答する新規リン酸化酵素ASK3の解析を行った。 浸透圧依存的なASK3の活性制御メカニズムの解明を目指し、特に高浸透圧依存的なASK3の不活性化を担う脱リン酸化酵素のスクリーニングを行い、候補分子を同定した。低浸透圧依存的なASK3の活性化に関わる分子をpull downするための活性化ASK特異的モノクローナル抗体の作製を完了させた。昨年度に酵母ツーハイブリッド法により同定した結合分子のうちASK3の活性を抑制するリン酸化酵素を同定した。これらの結果からこれまで未知であったASK3の活性制御メカニズムの一端を明らかにした。 昨年度に解析を始めていたASK3の基質と考えられる分子については、そのファミリー分子を含めASK3による制御のメカニズムに関して解析を行い、浸透圧ストレス応答においてASK3が担う新たなシグナル伝達経路を見いだした。 細胞内イオン(Na,K)濃度を測定する系を新たに構築し、リアルタイムで浸透圧ストレス時の細胞内イオン濃度変化を測定することに成功した。この測定系と昨年度に構築したRNAiによるASK3ノックダウンの手法を組み合わせ、浸透圧ストレス時の細胞内イオン制御におけるASK3の関与を検討した。 ASK3ノックアウトマウスの作製については、計画通りマウスの作製が完了し、実際にASK3がノックアウトされていることを確かめた。このマウスを用いて、浸透圧のホメオスタシスと関連の深い血圧や尿の組成などについて解析を始め、個体レベルにおけるASK3の重要性を検討している。 本研究の知見は、これまで知られていなかったASK3を介する新たな浸透圧応答メカニズムを提示することで、体の浸透圧調節と関連の深い高血圧症などの病態の理解につながると考えられる。
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Research Products
(6 results)