2006 Fiscal Year Annual Research Report
消化器がん患者の栄養管理に関する看護支援プログラムの開発
Project/Area Number |
18890074
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
間部 知子 福井大学, 医学部, 助手 (80432144)
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Keywords | がん看護 / 栄養管理 |
Research Abstract |
本研究は、消化器がん患者の食生活を良好な状態に保ち、QOLの高い生活を送るために必要な栄養管理看護支援プログラムの開発を目的とし、今年度はプログラム作成のための基礎的研究を行った。 1.先行研究による検討 CINAHLによる検索の結果、がん看護分野における栄養管理や食生活に関連した文献は、総説も含め67件であり、主に、緩和ケアにおける栄養管理や手術,化学療法による副作用と栄養状態に関するものであった。MRAL.(2002)は、がん患者は治療の副作用により栄養状態が低下し、食生活の変更を顕著に認めていたことを報告している。支援プログラムの作成にあたり、症状の状況とどのように食生活が変化したかという食生活管理状況を明らかにし、QOLとの関連を検討する必要性が示唆された。 2.食生活に関するQOLの尺度の検討 研究者が胃がん術後患者を対象に実施した研究(2005)で作成した食生活に関するQOL尺度(3構成概念6下位尺度全22項目)をさらに精度を高く、使用しやすいものにするために再検討を行った。共通性が0.0に近い項目を省き、残りの項目で因子分析を行った結果、3構1成概念4下位尺度全15項目の尺度となり、いずれの下位尺度もCronbach' α>0.7であった。 3.プログラム作成のための基礎的研究 消化器がん手術後患者の食生活に関するQOLと食生活管理状況との関連を明らかにすることを目的とし、調査を行った。調査内容は、(1)QOL : SF-8,食生活に関するQOL(2)食生活管理状況:食事の準備,食行動の変化,消化器症状,栄養状態の把握状況とし、胃がん及び大腸がんと診断され、手術を受けた成人期以降の同意の得られた患者を対象に個別面接質問紙調査を実施、現在データ収集中である。 今後、データを蓄積し、分析を行い、その結果をもとにプログラムの枠組みを作成、それに沿った内容で縦断的に面接調査を行い、QOL,食生活状況の変化と適応のプロセスを明らかにし、支援プログラムの内容を検討する予定である。
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