2006 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチにおけるIL-23/IL-17免疫経路の解析と治療への応用
Project/Area Number |
18890093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉富 啓之 京都大学, 医学研究科, 医員 (50402920)
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / 免疫学 / 臨床 / IL-23 / TH17 |
Research Abstract |
関節リウマチ滑膜組織にはCD4陽性T細胞が多数存在し病態に関与すると考えられている。実際にT細胞信号伝達を抑制するFK506やT細胞副刺激を抑制するCTLA4Igが臨床の上でヒト関節リウマチに有効である。CD4陽性T細胞は主にIFN-γを産生するTH1およびIL-4を産生するTH2に分化することが知られていたが、近年IL-17を産生するTH17という新たな分固に分化することが明らかになってきた。動物モデルからの知見より、TH17は関節リウマチをはじめとする様々の自己免疫性疾患に関与すると考えられている。一方でヒト関節リウマチなどの自己免疫疾患にてTH17がどの程度関与しているのかは明らかでない。 本研究では、関節リウマチ患者および非関節リウマチ患者の整形外科手術時に廃棄される関節液、滑膜組織、骨軟骨組織および血液を患者の同意のもと実験に用いた。患者への説明は、倫理委員会にて承認された説明書に基づいて行った。 まずはじめに、関節リウマチ患者および変形性関節症の関節液および滑膜組織におけるTH17関連サイトカインの発現を測定した。その結果、TH17関連サイトカインの発現が関節リウマチ患者の関節液および滑膜組織にて有意に増加していた。 次に、関節リウマチ滑膜組織をSCIDマウスに移植する系を作成した(SCID-HuRAg)。SCID-HuRAgに既存の抗リウマチ薬を投与したところ、非投与群に比較して有意に滑膜組織の炎症の抑制が認められた。 現在in vitroやSCID-HuRAgの系にてTH17関連サイトカインの作用を、それらの中和薬等をもちいて機能的に解析している。
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Research Products
(2 results)