2006 Fiscal Year Annual Research Report
代謝システムを再現した人工生体感染モデルの構築と抗インフルエンザ薬の検索
Project/Area Number |
18890101
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大道寺 智 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (80432433)
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Keywords | 代謝システム |
Research Abstract |
現在、薬物代謝システムを備えたラット肝培養細胞とブタの呼吸器初代培養細胞を組み合わせた人工生体モデルを作製すべくブタの肺組織から呼吸器上皮細胞を分離・培養し増殖させている。組織からの細胞の分離は酵素処理により行っている。 また、抗インフルエンザウイルス薬を検索するための前段階として現在問題となっている高病原性トリインフルエンザウイルスのうちの強毒株(H5N1)、弱毒株(H5N2、H5N3)のブタの呼吸器初代培養細胞に対する影響を比較検討している。H5N1株、H5N2株、H5N3株は発育鶏卵で増殖させ、精製後感染実験に用いている。 それらのウイルスをブタの呼吸器初代培養細胞に感染させ、感染後に産生された感染性ウイルス粒子の量をTCID50で評価し、また細胞内のウイルス抗原を抗HAモノクローナル抗体を用いたImmunofluorescence Assayで評価している。また同時にこれらのウイルスの細胞傷害性についてMTT Assayで比較検討している。 現在は次のステップとして実際に薬物代謝能を備えたラット肝細胞とブタの呼吸器初代培養細胞を共培養し、ウイルス感染に影響を与える可能性のある化合物を用いてH5N1株、H5N2株、H5N3株の呼吸器初代培養細胞に対する感染への影響を検討する予定である。 本研究は研究遂行のため大阪大学微生物病研究所の「ヒト・実験動物研究倫理委員会」の規定および「組み換えDNA実験指針」の規定に基づいて研究を行っている。
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