2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラット肺移植モデルを用いた移植後虚血再還流障害における分子レベル変化の研究
Project/Area Number |
18890114
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山根 正修 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20432643)
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Keywords | 肺移植 / 虚血再還流障害 |
Research Abstract |
・前実験(microarray analyses)において組織保護に関わるとされるS100A9は冷所保存中肺内で遺伝子レベルが変化する可能性が示唆されていた.ラツト移植肺をフラツシング直後,3,6,12,18,24時間4℃保存したものを採取し同遺伝子の発現レベルの推移をreal time PCRにて計測した.現時点は手技的な誤差のためか分散が大きくなり,各群間,対照群との差が検出されなかった. ・活性酸素スカベンジャーであるmetallothionein (MT)と脳虚血保護において注目されるNeuropeptide Y (NPY)を対象とし,虚血再還流による遺伝子発現の変化の観察を試みた.3,18時間虚血群それぞれについて1,4時間再還流を行った群,計4群と対照群を設定し各群5つのサンプルを準備した.移植後6血液ガス分析では血中酸素分圧では3時間虚血群(平均367.8mmHg)と18時間虚血群(平均66.7mmHg)の間に有意差を認めた.一方,乾湿重量比では有意差は認めなかった.遺伝子の発現レベルにおいては前回の実験同様real time PCRを行い遺伝子レベルの発現を計測した.移植後はMT, NPYともに移植肺内のmRNAの上昇を認め,さらに抗NPY抗体を用いて免疫染色を行い再還流後のタンパクレベルでの発現を認めた.しかし現段階では虚血時間の差による発現の違いは認めていない. 今年度の実験においてreal time PCRを行う際に用いたuniversal probe libraryはprobeのprimerの設計に自由度が無く至適PCRが行えなかった可能性があり次年度ではprimerを再設計し遺伝子レベルの解析を行う予定である.
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