2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯の形成過程におけるHertwig上皮鞘へのヘパラナーゼ局在調整機構の解明
Project/Area Number |
18890119
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松村 達志 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70432648)
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Keywords | 歯根形成 / ヘパラナーゼ / EGR-1 / FGF-2 / FGFR / Hertwig上皮鞘 / Malassezの上皮遺残 / 歯根膜 |
Research Abstract |
今年度は,歯根形成期におけるヘパラナーゼ,EGR-1,FGF2およびFGFRの局在について,まず生化学的手法により検索した.3週齢マウス臼歯歯根よりグアニジン塩酸,EDTAを用いてタンパクを抽出,精製後,ヘパラナーゼ,EGR-1,FGF2およびFGFRそれぞれの抗体を用いてウェスタンブロッティングを行ったところ,各分子量に相当するバンドが確認され,歯およびセメント質,歯根膜にヘパラナーゼ,EGR-1,FGF2およびFGFRそれぞれが存在することが示された.免疫組織化学的検討では,ヘパラナーゼはHertwig上皮鞘およびMalassezの上皮遺残に局在するが,EGR-1は上皮遺残に陽性反応がみられるものの,上皮鞘には反:応1まみられなかった.FGF2は象牙芽細胞、歯根膜線維芽細胞,セメント芽細胞および骨芽細胞に強い反応を示し,歯根膜にもびまん性にFGF2陽性反応がみられた.Hertwig上皮鞘細胞および歯根膜線維芽細胞にはFGFR-1の局在が観察された.これらのことより,歯根形成期には,歯乳頭や歯小嚢由来細胞が産生するFGF2が,FGFR-1を介して歯根膜線維芽細胞の増殖およびHertwig上皮鞘の歯根形成誘導に重要な役割を担うことが示唆された.一方,Malassezの上皮遺残でのヘバラナーゼ局在にはEGR-1が関与することが推察されたが,上皮鞘での局在性については,歯胚発生過程での時間的差異の可能性が推測され,異なるステージの歯胚を用いた検討が必要であると考えている。
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Research Products
(1 results)