2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18890120
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小山 貴弘 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (30432660)
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Keywords | 歯学 / 再生歯学 / バイオマテリアル / GBR / アルギン酸ナトリウム |
Research Abstract |
アルジネート膜を用いたGBR法における骨再生能を向上させるためには,アルジネート膜と骨とを接着させることが必要と考え,リン酸水素カルシウム含有アルギン酸ナトリウムパテ(アルジネートパテ)が接着剤として有用であるか否かを検討することを目的に研究を行った。 蒸留水に300cps,500cps及び1000cpsのアルギン酸ナトリウムを溶解して1.0wt%,3.0wt%,5.0wt%のアルギン酸ナトリウム水溶液を作成した。この1mlあたり1mg,1.5mg,2mgの割合でリン酸水素カルシウムニ水和物粉末を混和させて練和してアルジネートパテを作成し,物性の検討を行った。 このパテはいずれの濃度,粘度でも1時間から数時間で硬化した。硬化時間はアルギン酸ナトリウム水溶液の濃度及びリン酸水素カルシウムニ水和物の量を増やすことにより短くなる傾向を示したが,アルギン酸ナトリウムの粘度を変化させても有意な変化を認めなかった。また濃度,粘度が高くなるほど連和泥の粘調度が増す傾向を示したが、いずれの条件でも練和操作や練和泥を骨欠損部に塗布することは容易に行うことができ,パテは良好な操作性を示した。ただし濃度及びリン酸水素カルシウムの量をこれ以上増すことは操作性の点で困難であった。硬化体は脆く定量的な硬度を測定することはできなかった。 15週令ウィスター系雄性ラットをペントバルビタールの過剰投与により安楽死させ,すぐに脛骨を摘出した。練和したアルジネートパテを塗布し,塗布した部位がつかるようにアルギン酸ナトリウム水溶液を満たしたバットにつけ,塩化カルシウム水溶液を噴霧しアルジネート膜を形成させた。この接着力を測定するため万能試験機への設置を試みたが,測定するのに十分な接着力が得られなかった。今後は骨表面処理方法や測定方法を工夫して定量化を試みると共に,in vivoでの検討を予定している。
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