2006 Fiscal Year Annual Research Report
虚血耐性・冬眠・老化予防関連チロシン残基リン酸化蛋白質の同定
Project/Area Number |
18890123
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大槻 俊輔 広島大学, 病院, 講師 (20418792)
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Keywords | 虚血耐性 / 冬眠 / 老化 / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
本研究は虚血負荷時および冬眠導入維持期に特異的にチロシン残基がリン酸化される脳内蛋白質を同定し、脳梗塞治療、人工冬眠導入・維持、不老長寿のための創薬シーズになることを目的とする。本年度は、暖冬のため国内の冬眠ジリスの入手が困難で、同時に北アメリカからの急遽購入が困難であったため、年来入手可能な砂ネズミの一過性前脳虚血モデルを用いた虚血耐性現象の誘導を再現性良く作成するプロジェクトに変更した。 成熟雄性砂ネズミ(体重60g)をハロセン麻酔下に両側総頚動脈を剥離し、動脈瘤クリップで2分間または5分間左右同時に血流を遮断することにより、一過性前脳虚血を作成する。虚血耐性現象誘導のため予め2分虚血を動物に供し、その2-4日後に5分間の前脳虚血を負荷した。5分虚血・再灌流後1時間は、直腸温度を37℃に維持し、1週間後にハロセン麻酔後に断頭屠殺し、脳をエタノール・酢酸で固定、パラフィン包埋、薄切切片作成後ニッスル染色に供し、海馬CA1領域の錐体細胞の密度を計測した。2分虚血は、海馬CA1神経細胞にほとんど損傷を与えなかったが、5分虚血はほとんどの神経細胞を死滅させた。予め2分虚血を負荷しておくと動物は5分虚血後でも、過半数の海馬神経細胞が生存した。虚血耐性現象は再現性良く作成された。 来年度は、この虚血耐性現象モデル動物を用いて、海馬組織における蛋白質のチロシンリン酸化の動態とその蛋白質の精製を試みたい。
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