2006 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血単球から再生しうる内皮様細胞を用いた抗原特異的移植免疫寛容誘導法の確立
Project/Area Number |
18890125
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 友加 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 広島大学特別研究員 (90432666)
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Keywords | 移植 / 再生医療 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
本研究は、単球由来再生内皮様細胞にT細胞寛容特性を誘導し移入することで、臓器移植後に非特異的な免疫抑制剤を使用することなく拒絶反応を制御する方法を確立することを目的とする。本年度は、単球由来再生内皮様細胞に抗原提示機能を維持したままT細胞の応答を抑制し得る分子(Programmed death ligand-1:PDL-1、Immunoglobulin-like transcript-3:ILT-3など)の発現を誘導する条件と、これらの分子を発現した単球由来再生内皮様細胞と同種異系T細胞を共培養し、T細胞応答が抑制されるか否かを検討した。 1)単球由来再生内皮様細胞にFas-L、PDL-1、ILT-3などのT細胞寛容分子の発現させる至適条件の確立:健常人ボランティアの末梢血単核球からセルソーターを用いてCD14^+単球を分離し、血管内皮増殖因子とともにGM-CSF、IL-4、LPSを加え数日間刺激した後、血管内皮増殖因子存在下でさらに培養した。血管内皮増殖因子と共に低濃度LPSを培養系に加えることで、内皮様細胞への形態的変性効率が促進した。また低濃度LPS存在下で培養した再生内皮様細胞のフェノタイプを解析したところ、PDL-1,ILT-3の表出を認め、寛容特性を誘導する至適条件を確立できた。 2)再生内皮様細胞のアロT細胞応答抑制効果の評価:実験(1)でT細胞寛容誘導分子を誘導した再生内皮様細胞と異系T細胞を共培養し、T細胞応答抑制効果の有無についてCFSE色素染色法とフローサイトメトリーを応用したリンパ球混合試験で検討した。その結果、異系間リンパ球混合培養途中に刺激細胞と同系の再生内皮様細胞を添加すると、特異的な免疫応答抑制効果を認めた。 以上より、臓器移植後の免疫応答を末梢血単球由来再生内皮様細胞の移入により制御し得る可能性が示唆された。
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