2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌の共凝集因子についての解析および線毛遺伝子との関連
Project/Area Number |
18890135
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 真由美 九州大学, 歯学研究院, 助手 (00404054)
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Keywords | 線毛 / Porphyromonas gingivalis / Tannerella forsythensis / A.actinomycetemcomitans / 慢性辺縁性歯周炎 / 共凝集 / 歯周病原細菌 / ジンジパイン |
Research Abstract |
辺縁性歯周炎は歯肉溝に生息する細菌によって引き起こされる感染症で、特にPorphyromonas gingivalis、Tannerella forsythensis、Treponema denticolaの3種の組み合わせは"Red Complex"と呼ばれており、歯周炎との関連が高いことが示されている。なかでもP.gingivalisについては線毛やジンジパインなどの病原因子を持ち、歯肉縁下へ定着することに関連していると考えられている。我々は臨床的な歯周ポケット内におけるP.gingivalisと他の細菌との共存と共凝集について解析した。まず、慢性歯周炎患者の歯肉溝内細菌叢について解析したところ、Actinobacillus actinomycetemcomitansとP.gingivalisが共存している傾向が示された。そこで、現在までにP.gingivalisとT.forsythensisおよびA.actinomycetemcomitansの共凝集と共培養について解析中である。P.ginivalisの共凝集については、これまでに線毛が関与する可能性について検討してきた。I型の線毛遺伝子型を持つP.gingivalis臨床分離株とII型の臨床分離株を比較すると、T.forsythensisおよびA.actinomycetemcomitansのどちらともII型の方が共凝集しやすい傾向が認められた。そこで、現在は更に各線毛遺伝子型株の変異株を作成中であり、共凝集への線毛の関与について解析している。一方、ジンジパイン欠損株を用いて比較したところ、共凝集が有意に抑制されたことから、共凝集にはジンジパインのadhesin domainが関与している可能性も示唆された。
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