2007 Fiscal Year Annual Research Report
改良型cDNAライブラリー法を用いた癌関連抗原の同定と腫瘍免疫療法
Project/Area Number |
18890139
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
熊丸 渉 Kyushu University, 大学病院, 助教 (90432947)
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Keywords | 腫瘍免疫療法 / CTL / サブトラクション |
Research Abstract |
腫瘍関連抗原ペプチドで細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導を試みたところ、SART-1_<690-698>(22.0%)、SART-2_<93-101>(20.0%)、SART-2_<161-169>(2.9%)、SART-2_<899-907>(14.3%)、SART-3_<109-118>(14.3%)、SART-3_<315-323>(11.4%)、CyB_<84-92>(14.3%)、CyB_<91-99>(0%)、1ck_<208-210>(11.4%)、1ck_<486-494>(17.1%)、1ck_<488-497>(5.7%)、ART4_<13-20>(5.7%)、ART4_<75-84>(20.0%)であった。口腔扁平上皮癌患者のペプチドワクチンには、SART-1_<690-698>、SAR-2_<93-101>、ART4_<75-84>が有用であることが示唆されたが、有用と思われるものでもCTLの誘導が20数%であった。そこでCTLが認識する癌細胞特異的な新規癌抗原を発見する目的で、まず口腔扁平上皮癌細胞株(WK2)を樹立した。HLA(human leukocyte antigen)を一致させテーラーメイド治療が可能となるように同一患者から得られた線維芽細胞と末梢血単核球(PBMC)を実験に用いた。マイトマイシンC処理したWK2とPBMCを共存培養してWK2特異的なCTLを誘導した。WK2特異的なCTLとWK2、線維芽細胞とを共存培養したところWK2のみに細胞障害性を認めた。CTLが認識する癌細胞特異的な新規遺伝子を発見する目的でWK2から抽出したcDNAと同一患者の線維芽細胞から抽出したmRNAをハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしなかった癌特異的なcDNAをSubtraction法を用いて分離した。完全長のcDNAを得る目的であらかじめadaptorを付加したプライマーを用い、SMART法でcDNAを合成した。癌特異的なcDNAをLD-PCR法を用いて増幅した。増幅したcDNAを同一患者の線維芽細胞に導入して共存培養したところWK2特異的なCTLによって細胞障害性を認めた、この実験系は癌免疫療法のテーラーメイド治療への応用が可能である。
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