2006 Fiscal Year Annual Research Report
最新分子生物学的手法を用いた哺乳う蝕発生メカニズムの解明
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18890143
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 恭子 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70404499)
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Keywords | ミュータンスレンサ球菌 / 哺乳齲蝕 / 16s rDNA / PCR-DGGE / ラクトース / 酸産生 |
Research Abstract |
一般に齲蝕はKeyesの輪で示される様に、歯、食物(=スクロース)、細菌の三要素が揃って生じるものであり、哺乳齲蝕は一般に上顎前歯唇面に停留した母乳、人工乳が原因となって生じる齲蝕である。しかし哺乳齲蝕を考える場合、母乳や多くの人工乳は、ラクトースは含むものの、スクロースは含まない。また、ミュータンスレンサ球菌の歯面への定着の多くは2歳以降である。さらに、スクロース非存在下ではミュータンスレンサ球菌はプラークバイオフィルムの形成に必要なグルカンを合成できないため、歯面に定着できない。したがって、哺乳齲蝕の原因菌をミュータンスレンサ球菌とするのは疑問が残る。 そこで我々はミュータンスレンサ球菌が哺乳齲蝕の原因菌と成り得るかをまず検討するための一つの方法として、ミュータンスレンサ球菌が浮遊培養系、グルカンバイオフィルム培養系でラクトースから酸を産生できるかを検討した。その結果、ミュータンスレンサ球菌はグルカンバイオフィルム中ではラクトースの分解による酸の産生をしないことを明らかとし、第24回日本小児歯科学会九州地方会大会にて成果を報告した。今後、これを詳細にするためにラクトース代謝に関与する酵素、β-galactosidaseの産生をRT-PCRを行うことによってmRNAレベルで検討する予定である。 一方、ミュータンスレンサ球菌が哺乳齲蝕の原因菌でない場合、新規にう蝕原因菌を同定するための手法として、微生物群集解析の一手法である、DGGE法を行うこととした。本年度は、16S rDNA PCR-DGGEを行うためのPCRプライマーを作製するために、データベース上の16S rDNAの配列から共通の配列を抽出し、その設計を行った。また、哺乳齲蝕患児、およびその対照群となる哺乳齲蝕のない被験児からの唾液検体のサンプリングを行い、冷凍保存を行った。現在、DGGEに関しては泳動ゲルの変性剤濃度、泳動温度、電圧、泳動時間等の条件を検討しているところである。
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